当店では、昆虫の持つ味や香りといった種類ごとに異なる魅力を最大限に感じていただけるようなラインナップをめざしています。
現行の法律上、昆虫は特定原材料等(アレルギー食品)28品目には指定されておりませんが、甲殻類やダニのアレルギーをお持ちの方は昆虫を食べることによって甲殻類アレルギーとの交差反応を引き起こす可能性がございますので十分ご注意ください。
また昆虫自体を初めて召し上がる場合、まれに昆虫の喫食をきっかけとして甲殻類アレルギーを発症するケースもございます。
甲殻類にかかわらずアレルギー体質の自覚がある方や、体調の優れない方(免疫機能が落ちている時はアレルギー症状が発症しやすくなります)、また少しでも不安を感じる方は昆虫使用商品の喫食をお控えください。
※初めて口にする昆虫は、必ず“少量ずつ、様子を見ながら”お召し上がりください。
上記の理由から、当店の昆虫入り焼菓子はサプライズ目的でのご利用をご遠慮いただいております。
プレゼント等でご購入者様ご自身以外の第三者が召し上がる場合、必ずお相手方へ「昆虫使用商品である旨」「甲殻類アレルギーとの交差反応が起こる可能性のある旨」「(甲殻類アレルギーではなくとも)潜在的に昆虫のアレルギーを持っている場合は、喫食によってごくまれにアナフィラキシーショックを起こす可能性がある旨」の告知をお願いいたします。
◆体質や心情的な問題で昆虫入り食品を食べられない方のために、昆虫不使用の商品ライン(象[katadori]シリーズ)もご用意しております。蟲菓とセットでお求めいただくこともできますので、喫食される方の虫食への許容度に応じてお好きな商品をお選びください。
その名の通り、ヨーロッパ(南部)原産の小ぶりな体格をした薄茶色のコオロギ。「イエコ」や「ハウスクリケット」とも呼ばれ、主にエキゾチックアニマルの活餌として、ペットとして、また食用として世界各地で盛んに養殖されている品種です。
原料の状態でそのまま食べると、干し海老やスルメに近い旨味と香ばしさを感じます。焼菓子に加えると、甲殻類系の香りは僅かに残しながら、どことなく素朴で芳ばしいナッツ系の風味を感じられます(ピスタチオやキノコに似た風味を感じることも)。クセがなくあっさりとした味わいなので、焼菓子だけでなくパンや煎餅、麺類、調味料など様々な食材との相性が良く、組み合わせる食材によって表情が変化する(色々な食材に合わせやすい)ことが特徴です。
灯螂舎では、宮城県産の米ぬかを中心に育てられた群馬県高崎産のイエコオロギパウダーを使用しております。
【育成時の飼料】米ぬか・小麦ふすま・大豆 他
【原料の形状】粉末
◎使用商品一覧
・胡麻と胡椒のサブレ
・タイムとカシューナッツの全粒粉サブレ
・栗とアーモンドのエンガディナー・ヌストルテ
・カレンズとココナッツのカシューナッツハルヴァ
・全粒粉のスパイスキャロットケーキ
・フェヌグリーク香るバナナブレッド
・グリオットジャムとクローブのピスタチオパウンド
・ベイクドチェダーチーズケーキ
・ブランデー香るナッティカヌレ
黒く艶のある大きな体格をしたコオロギで、名前の通り背中に白黄色の模様(星)が二つ並んでいます。台湾や東南アジアといった熱帯・亜熱帯地域に広く生息し、日本でも沖縄や先島諸島で野生個体を見ることができます。
味はヨーロッパイエコオロギに比べかなりクセがありますが、その分コク(うま味)も強く、少しの量で“コオロギの味”をしっかりと感じることができます。
粉末状の原料をそのまま口に含むと、独特なスパイシーさのある風味の中にコーヒーを思わせるややビターな味わいを感じます。さらに味わっていくと、煮干しや鰹節系の旨味と甲殻類の香ばしさを併せ持った複雑で重厚な味が口中に広がります。
香味の強いスパイスやカカオ、コーヒーなどと合わせることで特有の「クセ」をうまく緩和しながら、フタホシコオロギの良い部分だけを強調するような食材の組み合わせを追求しています。
こちらも国産(福島県二本松産)のフタホシコオロギパウダーを使用しております。
【育成時の飼料】小麦ふすま・大豆 他
【原料の形状】粉末
◎使用商品一覧
・塩ココア&八角のディアマンクッキー
・カルダモンコーヒーのアーモンドサブレ
・ココアレープクーヘン
・ピーカンナッツとオレンジピールのショコラエンガディナー・ヌストルテ
・デーツのジンジャーブレッド
・牛蒡とフェンネルのガトーショコラ
・ラム無花果とアニスのココアパウンド
・オレンジ香るショコラカヌレ
蚕、特にその蛹(さなぎ)は大豆や空豆にも似た素朴な豆系の風味と動物性のコクを併せ持ちます。後味にはコーンや落花生のような甘味をほのかに感じる、全体的に優しくマイルドな味わいです。
焼菓子に加えると、炒ったきな粉のような香ばしさも感じられます。
※日本の伝統食「さなぎの佃煮」などに代表される“シルク(絹糸)を取ったあとの副産物”としての蛹は、味が落ち独特の風味(臭み)が出てくるため苦手に感じる人が多いようです。対して、はじめから食用として管理・生産されている新鮮な蚕は豆系の風味が特に強く、まったくの別物といっても差し支えないほどの穏やかな味わいです。
灯螂舎では、群馬県太田市の養蚕農家さんから直接仕入れた蚕の蛹を使用しております。
【育成時の飼料】桑葉
【原料の形状】ペースト(蛹内容物)・粉末(蛹外皮)
◎使用商品一覧
・アールグレイ&プラリネのディアマンクッキー(蛹外皮粉末使用)
・ココナッツ&ジンジャーのサブレ(蛹外皮粉末使用)
・有機ピーナッツバターとピンクペッパーのソフトクッキー(蛹外皮粉末使用)
・有機ピーナッツバターとマカダミアナッツのブラックココアソフトクッキー(蛹外皮粉末使用)
・胡桃とカレンズのエンガディナー・ヌストルテ(蛹外皮粉末使用)
・アプリコットとピスタチオのひまわりハルヴァ(蛹ペースト使用)
・ポルボロン・しろ繭(蛹外皮粉末使用)
・ポルボロン・みどり繭(蛹外皮粉末使用)
・アプリコットジャムと胡桃のアマレットケーキ(蛹ペースト使用)
・ダークチェリーのバスクチーズケーキ(蛹ペースト使用)
・レモンとカルダモンのポピーシードケーキ(蛹ペースト使用)
・有機ピーナッツバターとメースのブロンディ(蛹ペースト使用)
・ラムレーズンとマカダミアナッツのソシソンショコラ(蛹ペースト使用)
・アールグレイ香る 柑橘ガナッシュのココアマカロン(蛹外皮粉末使用)
・バタークリームのシルクマカロン(蛹ペースト使用)
・ラム酒香る 蚕ティラミス(蛹ペースト使用)
養蚕の地・群馬県で、新鮮な桑の葉をたっぷり食べて育った蚕幼虫の“ふん”を乾燥させ、お茶として香り高く焙煎したものを使用しています。
一般的に「昆虫食」枠として数えられますが、実際の成分としては(蚕の幼虫が粉砕・消化した)“桑の葉100%”です。桑の葉の爽やかな香りが凝縮された蚕沙は発酵茶のようなすっきりとした上品な風味を持ち、昆虫そのものを口にすることに抵抗のある方でも比較的挑戦しやすい昆虫食といえます。
抹茶にも通ずる雰囲気があり、和テイストの焼菓子にもよくなじむ味わいです。
【育成時の飼料】桑葉
【原料の形状】粉末
◎使用商品一覧
・クローブ香る かぼちゃのサブレ
・酒粕と白ごまのサブレ
・ポルボロン・みどり繭
・とろけるホワイトショコラクッキー・桑
・甘納豆と白胡麻の蚕沙ケーキ
・渋皮栗と甘納豆の和風シュトレン
・ブラックベリーと胡桃の蚕沙ブラウニー
・桑の実ガナッシュの蚕沙マカロン
・焙じ蚕沙の卵プリン
国内6県(群馬・埼玉・山梨・静岡・岩手・愛媛)の養蚕農家が育てた蚕の繭(絹糸)を微細な粉末状に加工した純国産の食用シルクフィブロインパウダー。
グリシン・アラニン・チロシン・セリンをはじめとしたアミノ酸類を豊富に含みながらも、焼菓子の風味を邪魔することなく自然な奥行きを与えてくれます。
【育成時の飼料】桑葉
【原料の形状】粉末
◎使用商品一覧
・ポルボロン・しろ繭
・シルクメレンゲクッキー
・バタークリームのシルクマカロン
・キルシュ香る 国産シルクのパンナコッタ
岐阜県や愛知県の一部地域で昔から食べられている、クロスズメバチやシダクロスズメバチの蜂の子(別称「ヘボ」)。成虫は体長1cmほどと小さく、黒と白の縞模様をしています。
巣から抜き取った蜂の子(幼虫)や蛹、前蛹を佃煮や炊き込みご飯などに加工・調理し、季節のごちそうとして楽しまれている食材です。
灯螂舎では、1匹ずつ手作業で巣から抜き取られ、生の状態から丁寧に加工された岐阜県中津川産の貴重なクロスズメバチを使用しています。
親蜂(巣から飛び立つ直前の成虫)を乾煎りしてから粉末化したものを使用した商品と、幼虫・前蛹・蛹(以降、幼虫・前蛹・蛹をまとめて「さなぎ」と呼称します)の柔らかい状態を丁寧に漉してペースト状にしたものを使用した商品がございます。親蜂パウダーは深みのある香ばしさを、ペーストはクリーミーなコクと甘味をお楽しみいただけます。
成長段階や加工方法による味の違いをお確かめください。
【育成時の飼料】昆虫類(自然採集のため詳細不明)
【原料の形状】ペースト(前蛹/蛹)・粉末(成虫)
◎使用商品一覧
・マサラチャイフロランタン(蛹ペースト・親蜂粉末使用)
・レッカリー(蛹ペースト・親蜂粉末使用)
・デーツとパンプキンシードの白ごまハルヴァ(蛹ペースト使用)
・ヘーゼルナッツと金柑のはちみつブラウニー(蛹ペースト・蛹姿使用)
・へぼと蜂蜜のクリームプリン(蛹ペースト使用)
・ヘーゼルナッツと柚子ピールのソシソンショコラ(蛹ペースト使用)
イエバエの幼虫、通称マゴット。姿かたちや食感は“ちりめんじゃこ”にそっくりです。
クリーンな環境で栄養価の高い“おから”を与え育てられた群馬県高崎産の「おからマゴット」は、身近なハエのイメージとは裏腹に、スルメイカを思わせる香りとクリアな旨味が特長です。
【育成時の飼料】おから
【原料の形状】粉末
◎使用商品一覧(取扱休止中)
・ブラックペッパー&ピンクペッパーのチーズサブレ
・クミンシードとガラムマサラの全粒粉サブレ
食品工場から排出される新鮮なおからと酒粕を食べて育った、神奈川県相模原産のアメリカミズアブ(フェニックスワームとも)。幼虫はラウリン酸を豊富に含み、その風味はココナッツを彷彿とさせます。
シナモンやカルダモンといった香辛料と非常に相性が良く、当店でも昆虫食TAKEOさんの「ミズアブパフ」という商品(乾燥したミズアブの幼虫に数種類のスパイスをまぶしたもの)を粉末加工して使用しています。
【育成時の飼料】おから・酒粕 ほか
【原料の形状】粉末
◎使用商品一覧
(取扱休止中)
大分県産で小麦のふすまを主食に育った養殖ミールワーム(チャイロコメノゴミムシダマシの幼虫)。
軽くローストするとくせのない香ばしさとほのかな甘みが感じられ、その後味はまるでナッツのよう。脂質が高くコク深い味わいのため、焼菓子の味わいに自然な深みを出してくれます。
【育成時の飼料】小麦ふすま 他
【原料の形状】粉末・姿
◎使用商品一覧(取扱休止中)
・デーツとココナッツのフラップジャック(ミールワーム姿使用)
・ココアパンプキンブラウニー(ミールワーム粉末使用)
“昆虫版ラ・フランス”と名高いタガメ。その理由は、タガメ特有の香り(とりわけオスが放つ芳香)にあります。
それはまるで洋梨や青林檎の風味そのもので、その香りを生かした商品(タガメサイダーなど)をご存じの方も多いのではないでしょうか。
灯螂舎では、タイ産タイワンタガメから抽出された「タガメエキス」と「タガメ香料」を使用しております。見た目の先入観を捨て、その鮮烈な香りだけを純粋にお楽しみください。
【原料の形状】エキス・香料
◎使用商品一覧
・とろけるホワイトショコラクッキー・タガメ
・林檎のベラヴェッカ
・チーズテリーヌ
・カッサータ
しばしばパクチーにも例えられる、少し青臭さの混じった強烈な刺激臭が特徴的なキマダラカメムシ。
凍結保存したカメムシを蒸留酒で煮出したエキスの目が覚めるような鮮烈な香りは、まさにスパイス(コリアンダーシード)のよう。トップノートの独特な香りに慣れていくと、奥底に柑橘系のフルーティーさも感じます。
コリアンダーを使用するクラフトコーラなどスパイス飲料の材料としてはもちろん、洋酒に漬け込んだドライフルーツの香り付け等にも最適です。
【育成時の飼料】広葉樹類の樹液(野外採集のため詳細不明)
【原料の形状】エキス
◎使用商品一覧
・ミンスパイ
モンクロシャチホコという蛾の幼虫(通称:桜毛虫)は、桜の葉を食害するとして国内では害虫として扱われていますが、彼らの身体には食草である桜の香りが凝縮されています。
糞は糞茶として、身体はペーストにして焼菓子の一部に取り入れることで、その風味を違和感なく楽しむことができます。
まるで桜餅ような味わいを是非ご体験ください。
【育成時の飼料】桜葉 他(野外採集のため詳細不明)
【原料の形状】粉末
◎使用商品一覧
・とろけるホワイトショコラクッキー・桜
・桜餡入り 吟醸酒粕のパウンドケーキ
昆虫はあくまでも“食材の選択肢の一つ”と捉えている当店では、昆虫を加えることで食味の良くなる組み合わせのみを「蟲菓(昆虫入り焼菓子)」として商品化していますが、昆虫不使用の商品ライン《象[katadori]シリーズ》もございます。
コンセプトは“目で楽しむ”昆虫菓子。
その名の通り昆虫の「すがた」をかたどってはいますが、原料には昆虫を使用しておりません(※一部昆虫由来原料[蜂蜜・絹粉末・糞茶]を除く)。
「昆虫の“姿かたち”は好きだけれど、食材として見ることはできない」という方や「甲殻類アレルギーを持っているため、昆虫食品を食べたくても食べられない」という方にも安心してお召し上がりいただけるバグフリー(昆虫不使用)の焼菓子は、虫を愛する方へのプレゼントや手土産にも最適です。
◎商品一覧(象[katadori]シリーズ)
・蟷螂のたね(ココナッツメレンゲクッキー)
・花と蝶のスペキュロス
・スカラベのチリココアスペキュロス
◎象[katadori]シリーズ以外の昆虫不使用商品一覧
・グースナーケーキ(キャラウェイのショートブレッド)
・山椒ココアショートブレッド
・カモミール香る レモンのショートブレッド
・ライ麦のサマハンショートブレッド
・ペパーミントのフロランタン・ショコラ
・ラム香るプレーンカヌレ